国土交通省XバンドMPレーダネットワーク

国土交通省は,防災科研でのXバンドMPレーダを用いた豪雨・強風監視についての研究成果を踏まえ,XバンドMPレーダネットワークの全国配備を開始しました.

レーダの配置

レーダの配置にあたっては,まず重点観測地域(大都市や火山,災害復旧現場など豪雨にたいして脆弱性を持つ地域)を設定し,その重点観測地域を複数台のレーダでカバーできるよう,設置場所の選定が行われています.重点観測地域を複数台のレーダでカバーすることにより,豪雨減衰による電波消散領域の発生が少なくなっています.2009年度に東京,名古屋,近畿等の大都市圏を中心に11台のXバンドMPレーダが設置され,2010年度には地方の主要都市を中心に15台のレーダが設置されました.

国土交通省XバンドMPレーダ配置図

データ処理システム

防災科研は国土技術政策総合研究所委託事務「高精度レーダによる豪雨監視高度化のためのデータ処理システムの構築」において,国交省レーダで観測されたデータをリアルタイムで受信し,降水量推定および合成処理を行い,1分毎に地域合成降水強度データを作成する現業用システムの開発及び実装を担当しました.このシステムには防災科研で開発した降雨強度推定アルゴリズムが組み込まれています.

国交省データ処理システム