従来の気象レーダは一つの偏波を使うのに対して、マルチパラメータレーダでは水平と垂直の二種類の偏波の電波を使います(図3a)。
マルチパラメータレーダによる降雨強度の推定の原理は、雨が強くなると、雨滴の形状が球形から扁平な形になる(図3b)という事実に基づいています。


水平偏波と垂直偏波


雨滴の形状の変化

降雨強度の推定に利用される重要なレーダパラメータ

反射因子 ZH:雨から反射して帰ってくる電波の強さで、従来の気象レーダが観測できるパラメータです。降雨 強度はあらかじめ決めていたR-ZH関係式から計算されます。
反射因子差 ZDR:水平偏波の反射因子ZHと垂直偏波の反射因子ZVの比で定義されます。MPレ ーダが測定できる重要な偏波パラメータの一つで、雨滴の粒径分布に関する情報を得ることができ ます。
比偏波間位相差 KDP:水平偏波と垂直偏波の単位距離あたりの位相速度の差で定義されます。MPレーダが測定できる偏波パラメータの一つで、正確な降雨強度を求めることができます。
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このページの情報は2004年のものです。新しい情報は「Xバンドマルチパラメータレーダ」をご覧ください。