マルチパラメータレーダシステム(MPレーダシステム)は雲−降水過程を研究するために1996-1997年の技術調査、基本設計、詳細設計を経て2000年に完成しました。MPレーダシステムは、雲を観測するための2波長高感度レーダ(MP-Ka/Wレーダ)と降水を観測するための3cm波長偏波レーダ(MP-Xレーダ)から構成されています。MP-Xレーダは当初、機動的な観測をおこなうために4トン車に搭載されていましたが、雨の連続観測をおこなうために、2003年に神奈川県海老名市の4階建ての建物の屋上に固定されました。これにより、首都圏における豪雨の発生を常時、監視することが可能になりました。このパンフレットではMP-Xレーダについてのみ説明しています。
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防災科学技術研究所の マルチパラメータレーダシステム
(2000年、つくば) 左:MP-Ka/W, 右:MP-X.
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移設されたMP-X
(2003年、神奈川県海老名市)
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Table
1 マルチパラメータレーダMP-Xの主な仕様 |
周波数 |
9.375
GHz |
アンテナタイプ |
パラボラ,
直径2.1 m |
スキャン範囲(速度):
AZ |
360°
(36 deg/s max.) |
EL |
-2 ~ +92° (18 deg/s max.) |
アンテナ利得 |
41.6
dB |
ビーム幅 |
1.3
deg |
送信管 |
マグネトロン |
尖頭出力 |
50
kW |
パルス幅 |
0.5
μs |
パルス繰り返し周波数 |
1,800 Hz (max.) |
偏波 |
H,
V |
ドップラー処理 |
PPP,
FFT |
雑音指数 |
2.3
dB |
観測範囲 |
80
km |
観測パラメータ |
ZH,
V, W, ZDR, ρhv, ΦDP, KDP |
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